慢性冠症候群 冠動脈疾患 | 循環器
心臓の血管、いわゆる冠動脈の病気を大別すると慢性冠症候群と急性冠症候群の2つに分けられます。
慢性冠症候群は安定狭心症、急性冠症候群は不安定狭心症や心筋梗塞に近い概念です。
慢性冠症候群の時期に適切な治療をしないと、急性冠症候群へ移行リスクを上げてします。冠動脈の病気は例えカテーテル治療をしてもそれが終わりではありません。慢性冠動脈疾患の治療は一生涯継続して行う必要があります。逆に適切な管理を行えば、冠動脈に動脈硬化があってもうまく付き合うことが可能になります。
慢性冠症候群が急性冠症候群に移行する
上の図は慢性冠症候群が、時に急性冠症候群に移行に移行する自然歴を示したものです。急性期治療をカテーテル治療などで行い、その後も慢性冠症候群の治療を継続します。慢性冠症候群でも、リスク管理が不十分であったり、冠動脈狭窄に伴う心筋虚血の範囲が大きい場合は高リスクですので、低リスク患者より厳重な経過観察が必要です。
冠動脈CT 当院ではできません
冠動脈の診断には各種検査があります。心筋シンチ、冠動脈CTなどの検査は当院では行うことができないため他院に紹介して検査して頂いております。当院で全て完結できる訳ではありません。冠動脈CTは外来で可能な検査です。冠動脈の狭窄の有無や、冠動脈内のプラークの質を見る上で非常に有用です。一部施設ではそれに加えて冠動脈の狭窄に伴う心筋虚血を数値で判定できるようになっています。
冠動脈疾患の治療
血行再建術(カテーテル治療や冠動脈バイパス術)の有無に関わらず診断確定後は治療継続
LDLコレステロールの目標値;治療開始時の値より50%以上の低下かつ70mg/dl未満
抗血小板凝集薬(2022 年 JCS ガイドライン フォーカスアップデート版より)