心筋梗塞 治療後に欠かせない薬 (内服薬) 冠動脈疾患

①②③は心筋梗塞の3種の神器です。②はコレステロールが正常であっても、③は血圧が少し低くても自己中断しないでください。内服することで寿命が確実に延びることが医学的に明らかになっています。
①抗血小板凝集薬
一般名(商品名):アスピリン(バイアスピリン)、クロピドグレル(プラビックス)、
プラスグレル(エフィエント)
血をサラサラにする薬です。カテーテル治療やバイパス術を行った後は1種類以上の内服をすることで、(次の)心筋梗塞を確実に減らします。病態に応じて、2種類以上内服する事があります。
②脂質改善薬(スタチン)
アトルバスタチン(リピトール)、ロスバスタチン(クレストール)、ピタバスタチン(リバロ)
LDLコレステロールを下げる内服薬が必須となります。LDLコレステロールはいわゆる悪玉と呼ばれます。
この薬は悪玉の数を減らすだけでなく、“動脈硬化を安定化させる”役割を果たします。内服の継続が心筋梗塞を減らします。動脈硬化進行を抑制する主役の薬です。LDLを徹底的に下げると動脈硬化が退縮(小さくなる)するという報告が多くだされてからは循環器医師はLDLの値を100mg/dl以下でなく80mg/dl未満を目標にすることが多いようです。
③高血圧の治療・心筋保護の治療 ACE阻害薬、β遮断
ACE阻害薬:エナラプリル(レニベース)イミダプリル(タナトリル) テモカプリル(エースコール) ペリンドプリル (コバシル)
β遮断薬:ビソプロロール(メインテート)、カルベジロール(アーチスト)
血圧が高かったり、脈が速い状態は狭心痛の頻度を増やします。“適切な”治療が必要です。特にACE阻害薬、β遮断薬といった内服薬は心筋梗塞後に“心臓がへばってくる”のを予防したり、不整脈による突然死を減らすことで、その後の心臓死を減らします。ACE阻害薬は時に咳が出たり、使用しづらい時にはARBに変更されることがあります。
④糖尿病の治療
心筋梗塞患者は、“隠れ糖尿病”が多いのが特徴です。初期の糖尿病がないかもきちんと調べましょう。
⑤禁煙
禁煙を“今すぐに”始めましょう。当院では禁煙外来を行っています。希望があれば保険診療で治療ができます。禁煙できないのは、意志の弱さではなく、“ニコチン依存”によるものです。
是非相談して下さい。
⑥適度な運動 別コラム参照