抗凝固療法:新しい抗凝固薬とワーファリンの違い 不整脈(心房細動) | 脳卒中
抗凝固療法は、主に心房細動の脳梗塞予防目的に使用します。厳密に言えば心房細動・肺塞栓・静脈血栓・弁置換や一部の人工血管術後に処方します)。
抗凝固療法といえば、最近まで のみ薬はワーファリン、点滴薬はヘパリンだけでした。現在は、ワーファリン以外にも4種類の抗凝固薬が処方できるようになりました。それぞれのメリットがあります。個人的には選択肢が増えることは良いことと思います。ただし、弁膜症に対する機械弁手術後・腎機能が高度低下している場合はワーファリンしか使用できません。
ワーファリン
長所:
✔︎以前から使用されており実績がある
✔︎薬価が安価である(ワーファリンは3mgとして月259円•4週間処方3割負担)
✔︎腎臓が悪くても使用できる
短所:
✔︎採血をみながら微調整が必要である(PTーINR)
✔︎他の薬剤との相互作用が多い(薬の追加や減量でINRが増減する)
✔︎ビタミンK摂取で効果が減量する(クロレラ・納豆の摂取は控える)
✔︎増量・中止してもPT-INRが変動するまで数日かかる
非ビタミンK阻害経口抗凝固薬
NOAC: Non-vitamin K antagonist oral anticoagulants/DOAC: Direct oral anticoagulant
ワーファリンと長所短所が逆になります。2011年以降に発売されたこれらの薬剤は、食べ物に禁止がありません。また、薬剤によってはワーファリンと比べ脳梗塞予防効果が強く、出血リスクが少ない報告もあり患者背景をみて最適な薬剤を選択します。
最大の問題は薬価かも知れません。具体的には2016年2月リバーロキサバン15mg 1錠545.60円であり、
4週間処方3割負担で月4910円かかります。NOACの個々の薬剤については下記参照してください。
私の中での判断基準
HAS-BLEDスコア
個々のNOAC(DOAC)の特徴