不整脈:致死性不整脈 心室細動・心室頻拍 不整脈(心房細動)

突然死をおこす致死性不整脈
致死性不整脈とも呼ばれ、非常に重篤な不整脈です。高円宮さまがスカッシュ中に急逝された原因といわれていますし、2017年2月アイドルの急死が「致死性不整脈疑い」と公表され、初めて知った方も多いと思います。
心室細動・心室頻拍は、心臓病や心不全の治療中に発症するケースが多い一方、何の前触れもなく命を落とすことがある病気でもあります。我々循環器医が一人でも多く診断したい病気でもあります。
治療
意識のなくなった心室細動・心室頻拍に対する唯一の治療が除細動です。いわゆる電気ショックです。病院外ではAEDがあれば良いのですが、ない場合にはCPR、絶え間ない心臓マッサージをして救急隊到着を待つしかありません。除細動などで助かった場合、再発の可能性があれば、体内に電気ショックを埋め込む治療(埋込型除細動)があります。
原因
若い方の主な原因
心筋炎(心臓にウイルスが入る。心臓の風邪のような状態で、軽症の場合気がつかないことも多い)
先天性の心臓の病気(先天性心疾患)やBrugada(ブルガダ)症候群、先天性QT延長症候群と呼ばれる致死的不整脈の素因を持つ人
成人の主な原因
心筋梗塞
心筋症(心臓の筋肉の病気:代表的な病名は拡張型心筋症や肥大型心筋症)
心筋炎、弁膜症、心不全など様々です
兆候
脈が早く、血圧を維持できないことで、長く続くと意識消失し、死に至ります。この不整脈がたまたま短時間で終われば、意識が遠のく、めまい、ふらつきなどの症状だけのこともあります。
“Brugada症候群”
Brugada(ブルガダ)症候群を疑うのは・・・
ブルガダ様心電図があり、
✔︎失神歴(一度でも気を失ったことがある)
✔︎家族歴(突然死の家族(血縁)がいる)
のいずれかが当てはまる場合に強く疑います。診断が難しい病気です。右脚ブロックはブルガダ様心電図と区別がつきにくいことも多いです。