呼吸器:気管支喘息 呼吸器

総論
気管支喘息を子供の病気だと思っていませんか?大人になってからも喘息になります。
気管支喘息での死亡数は1960年と比較すると、2010年は約80%減少し、入院も減ってます。(厚生省統計情報部「人口動態統計」)。その一方で、気管支喘息発症の患者数は増加しています。高齢になってから発症することもありますし、重症化することもあります。子供の喘息が自然治癒することもあるのに比較すると、大人の喘息は数年ー数十年小康状態であってもストレス・環境・気候・感染により増悪することも多く、一生つきあっていく必要があります。
治療
発作がでてから病院を受診していませんか?発作0を目指しましょう
発作がでてから病院に行くのは得策ではありません。大人の喘息は、『悪くなってから治療する』のではなく、『常に発作のない状態を保つ』のが正しい治療です。すなわち、1の基本を継続することが重要です。
1病状が落ち着いた時の継続治療
長期管理の治療をコントローラーと呼びます。以下の薬剤が代表です。コントローラーを継続することで、発作のない状態をが保ちます。季節の変わり目や、気管支炎をきっかけに気管支喘息がひどくなった経験はありませんか?増悪回数を0にするには、症状が落ち着いている時にも継続治療することで、増悪回数を大きく減らし0に近づけます。
吸入ステロイド剤(フルタイド、オルベスコ)
長時間作用性β2刺激薬/ロイコトリエン拮抗薬/抗アレルギー剤テオフィリン徐放製剤 、漢方など
現在は、吸入ステロイド剤と長時間作用性β2刺激薬の合剤(アドエアなど)便利の良い吸入が主流です。
2発作が出たときの治療
発作を鎮めるための治療(発作治療薬)/短時間作用性β2刺激薬 (メプチン、ベネトリン)
喘息の疑問
①どの時期に悪くなりますか?
季節の変わり目や感冒(気管支炎など)をきっかけに悪くなることが非常に多いです。
また、精神的・肉体的なストレスをきっかけに悪くなることもあります。
②大人の喘息は、子供の喘息と違いますか?
子供の喘息は半数近くが完治します。その一方で、大人の喘息は完治しません。再発するのが大人の喘息です。
③運動で悪くなることがありますか
喘息のコントロールが十分でないと、運動で症状が増悪することは少なくありません。
④特に気をつけることは何がありますか?
喘息を疑った時は、必ず病院を受診する。喘息と診断されたら、悪い時だけ治療するのではなく、落ち着いている時も治療を続けることが重要です。
年齢と共に増加する病気で、65歳以上の高齢者が、喘息患者全体の40〜50%を占めています。高齢者で、喫煙からおこる肺気腫(COPD)と喘息を合併する人は特に症状が重篤になります。
アレルギー性鼻炎を一緒に持っていることも多いのが特徴で合わせて治療を行います。
⑤喘息時の治療法について
喘息発作を0を目指します。
安定した状態でも、定期薬を継続して、喘息発作を0を目指します。
発作時は吸入やのみ薬があります。酸素や点滴が必要になると、入院も検討します。
⑥予防法はありますか?
規則正しい生活、すなわち栄養のある食事や適度な運動を心がけましょう。また、ストレスをためない、喫煙しないことも重要です。
成人では就業環境や家庭生活、心身の疲労など、様々なストレス要因が存在するため、自律神経の働きに支障をきたしやすい状況にさらされているといえるでしょう。
⑦心臓喘息と聞いたことがありますが、気管支喘息とは違いますか?
心臓喘息と気管支喘息は、全く違います。心臓喘息は、医学的的には心不全を指します。ただし、症状は息切れ、ゼーゼーなど医師から診断うけるまで、自分では区別がつかないことがあります。