閉塞性動脈硬化症2 大血管疾患末梢血管疾患

症状
4つに分類され、1度は軽症ですが、3度4度は重症ですぐに治療が必要です
冷えや、しびれから重症化すると足の壊疽をおこします。1度2度は自分で病気と考えず、相談されない場合が多いです。この時期は、歩くと痛いが、立ち止まると症状がとれます。
1度 足の冷え、しびれがでます
2度 歩くと足が痛い、おもだるい
3度 寝ている時、何もしなくても足先が痛い
4度 足が腐る、潰瘍ができている(壊疽)
診察と検査
病院にいっても、聴診はしてくれても、なかなか足の先まで診察してくれる医師は多くありません。病院を受診していても、重症化するまで気がつかれ事はしばしばです。また、患者自身が医師に(靴下を脱いで)足をみせる事に抵抗がある人もいます
診察以外に、簡単に閉塞性動脈硬化症かどうかわかる検査にABI検査があります。足首と、上腕の血圧を測定し、その比が0.9以下であれば異常です。下肢の血管がつまりかかっている可能性すなわち、閉塞性動脈硬化症と診断できます。足首の血圧の方が上腕の血圧より高くでるのが正常です。血圧を測定するだけで簡単に血管が詰まっているかわかるので、循環器を専門にする病院ではよく測定されています。気になる症状があればABIを測定してもらいましょう。
治療
内服薬
①抗血小板凝集抑制薬:血をさらさらにする薬です。
②足の血管を選択的に拡張させる薬(血管拡張薬)です。
手術
内服薬で血流を増やすお薬で効果がでない場合や、症状が高度に進行した場合、血流をよくする手術(血行再建術)を検討します。手術には、カテーテル治療もしくは、バイパス術があります。足に潰瘍ができた場合、最初から薬と併行して血行再建術を行います。
血行再建術は最近、急速に発展しています。特にカテーテル治療の発展は著しく進歩しています。症状が最重症であれば、以前は治療できなかった膝から下の小血管に対しても、治療ができるようになりました。
運動療法
運動は非常に重要です。医師と相談して、問題なければ積極的に自分で運動して頂いてかまいません。しかし、自分で頑張っても、足が痛くなるため、億劫になる方も多いですし、下肢の血流が非常に悪く、自分で安静時にも痛みがでるような方に勧めにくいので、‘適切な’運動を指導するのがやはり重要です。
心大血管疾患リハビリテーションを行っている施設では、保険で認められている治療として運動が病院でできます。適切な運動をしていただく事で、お薬を増やさなくても症状が改善する事を、実際に多くの方が経験しています。医師が適切な運動を設定しますので、リハビリをする事により、‘ここまで歩いてもいいのか’とわかり安心して運動できるようになったという声も多く聞かれます。
病院では、“適切な”運動療法ができます。また、膝や腰が悪くても可能な事がほとんどなので是非相談して下さい。かかりつけ医で処方をうけながら運動療法だけ当院で行う事も可能です。気軽に電話、窓口で相談してください。非常に開放的で気持ちが良く、治療と考えるより楽しみながらできるよう工夫しています。確立した治療であり、もっと積極的にされるべきですが、心大血管疾患リハビリテーション施設が少ないのが現実です。