コレステロール値が高い。中性脂肪値が高い。いけないの? その他 | 検査 | 血管合併症 | 高血圧

コレステロール値が高い、中性脂肪値が高い。体に悪いと良く言われますが、では具体的に何がいけないのか説明できますか? また、健康診断でコレステロール値や中性脂肪値の異常を指摘された時にどうしますか?
当院では下の2つを行います。
1 具体的な食事や運動のコツをお話します
2 コレステロール値の異常から、甲状腺・腎臓・肝臓・糖尿病など隠れた病気を調べます。健康診断はそれらを全て網羅していません。
脂質代謝異常
以下の3項目いずれかを満たした状態です。
原因
原因は様々です。肥満・不規則な食生活だけではありません。甲状腺機能異常・糖尿病などの病気、遺伝的な原因もあります。
症状
LDLコレステロール
正常:140mg/dl未満 異常:140mg/dl以上
病気の背景によって様々です。動脈硬化のリスクが少ない人に、LDLコレステロールが140mg/dl超えたらただちに薬を勧めることはありません。逆に、糖尿病や狭心症をお持ちの方は徹底的にさげた方が良いです。以下に、病気お持ちの方の目標を示します。
✔️脳梗塞・糖尿病では120mg/dl未満を治療目標とする
糖尿病がある人もLDLコレステロールをしっかり下げることが動脈硬化を抑えます。実は米国糖尿病学会は糖尿病があればほぼ全てにスタチンを飲むことが有効と表明しています。日本では、全てとはいいませんがLDLをしっかり下げることが将来の動脈硬化を抑え、利益が多い人には治療を行います。
✔️冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)では100mg/dl未満を治療目標とする
心筋梗塞、狭心症に罹患したことが有れば、薬もうまく付き合いながらLDLコレステロールをしっかり下げる必要があります。最近はスタチン(代表的な薬剤にアトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン)でしっかり下げることが出来ます。LDLコレステロールは100mg/dl以下、可能であれば80mg/dl以下までコントロールすれば、心筋梗塞、狭心症の再発に非常に有効です。
✔️家族性高コレステロール血症は、LDLコレステロール値は100mg/dL未満もしくは治療前値の50%未満を目標
心筋梗塞を若くしておこす有名な遺伝性疾患です。食生活改善だけでなく、多くは薬物による治療が必要です。
家族の中で誰か一人でも家族性高コレステロール血症と診断された場合、若くして冠動脈疾患になった家族がいる場合は必ず循環器科に相談ください。
中性脂肪
正常:150mg/dl未満 異常:150mg/dl以上
食べ物から取り入れた「脂肪酸」や「糖質」を中性脂肪に合成します。皮下脂肪や内臓脂肪といった脂肪組織に蓄え、必要な時にエネルギーとして使います。体に必要ですが、食前の中性脂肪が150mg/dlを超えると高いです。体質もありますが、運動不足、過食が一番多いです。
HDLコレステロール
正常:40mg/dl以上 異常:40mg/dl未満
善玉コレステロールとも呼ばれます。運動や規則正しい生活は、HDLコレステロールを上げます。
適度なアルコールもHDLコレステロールを上げますが、あくまで適量がポイントです。逆に運動不足はHDLコレステロールをさげるので要注意です。
